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最新教育事情 vol.4
学歴の意味と価値は変動する? 学歴の意味と価値は変動する?

子どもにどのような教育を与えたいかを考えるということは、子どもの将来を考える
ということではないでしょうか。どんな道に進むにしても、充実した人生を送ること
ができるようにするには、どのような力をつければいいのかを考えていきましょう。

学歴社会は崩壊しているのか
学歴社会は崩壊しているのか

子どもの将来を保障する条件として、まず思い浮かべるのは学歴でしょう。では、学歴の価値を生涯賃金で見ていくことにしましょう。

 

独立行政法人・労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計」(2003年版)をみると、学歴が高くなるほど生涯賃金が多くなっていることがわかります。この結果を見て「学歴による差はそれほど大きくないな」と、感じている方もいるかもしれません。男性では中卒と大卒の差は7000万円となっています。また、新規学卒として同一企業に継続勤務している労働者と転職経験者では男性大卒で5000万円の差があります。

 

■ 標準労働者の生涯賃金(定年まで退職金を除く/2003年)
標準労働者の生涯賃金(定年まで退職金を除く/2003年)

 

定年までの総賃金の合計に退職金と定年後の総賃金(平均的な引退年齢まで働き続けた場合)も加えた金額で比較してみると、中卒が2億5000万円に対し、高卒は2億8000万円、大卒は3億8000万円となります。中卒と高卒の差は3000万円とさほどでもありませんが、大卒になると一気に1億円以上の開きが出ています。それだけ大卒者の退職金や定年後の収入が多いということなのでしょう。

 

大卒者は勤務年数が高卒や中卒に比べて短いにもかかわらず、生涯賃金で高くなる理由は、賃金水準そのものが高いことにあります。厚生労働省が調べた「平成18年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、大卒男子の初任給は19万9800円に比べ、高専・短大卒は17万1200円。高卒は15万7600円と、大卒の8割弱程度になっています。さらに前年からの増減率をみると、高卒は1.2%の増加に対し、大卒は1.6%のアップ。給与の増加率でも大卒が上回っています。

 

学歴社会は崩壊しているのか

同じ大卒でも、勤める企業の規模によって生涯賃金が変わってきます。大卒男子の場合、企業規模が千人以上の大企業の場合、3億2000万円と3億円を超えるのに対し、企業規模10人から99人のいわゆる中小企業では2億300万円にとどまっているのです。つまり、大卒と中卒の生涯賃金の差の他にも、同じ大卒でも勤める企業の規模によって賃金差が生まれていることがわかります。

 

ただし、これらの数字はあくまでも過去の結果であり、こうした状況が今後も永遠に続くとは限りません。むしろ、経済状況や雇用関係が大きく変わる可能性が高いと考えるべきでしょう。

 

■ 企業内の賃金格差の変化(成果主義的賃金の割合が50%以上の企業)
企業内の賃金格差の変化(成果主義的賃金の割合が50%以上の企業)

 

内閣府経済社会総合研究所による「日本企業の人材活用・賃金体系の現状と今後」と題された、平成16年度の企業行動に関するアンケート調査によると、成果主義的賃金制度を導入している企業の割合は、ほぼあらゆる職種で5割以上になっています。しかも、成果主義的賃金の割合が50%以上の企業で、企業内の最高賃金と最低賃金の賃金格差(最高賃金÷最低賃金)を比べると、「30歳代以下」では平成11年度の1.70倍から平成16年度は1.91倍へと0.21倍の格差拡大。同じく「40歳代」では、1.54倍から1.85倍へとその差が開いています。

日本でも年功序列に基づく賃金体系が過去のものとなりつつあり、実力主義、成果主義へ広がっていることを示しているといえるでしょう。

 

このような社会状況のなかでは、良い大学を出て良い会社に就職ができても、それだけで幸せな人生が過ごせるわけではないことがわかります。