人間は過剰なストレスを受けたときには、それに対抗するために、さまざまな反応を示します。その中には身体的反応と精神的反応があり、最終的に不調をきたすときにも身体的症状にあらわれる場合と精神的な症状を中心とする場合があります。 |
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うつ状態(病)にある人は、周囲からみると怠けているようにも見えるので「どうした、がんばれ!」といいたくなります。しかし、本人は自分が仕事ができないことをよく自覚しており、周囲の人にすまないと思っているので、励まされるとかえってプレッシャーとなり、一層気分が沈んでしまうことが珍しくありません。この悪循環に入ってしまうと症状はさらに悪くなっていきます。
誰にでも機嫌の良い日や悪い日があり、気分が沈むこともあります。しかし、うつ状態(病)はその程度が強く、主に以下のような特徴と原因が上げられます。
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特徴1) 期間が長い
特徴2) 不眠などの症状が出てくる
原因1) 大きな心理的ショックを受ける出来事(家族の死や生活環境の変化など)
原因2) ストレスの蓄積(上司や部下との人間関係や過重な仕事による疲労など) |
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とくに原因もなく起こることもありますが、職場環境などが大きく変化している現在は、うつ状態(病)は誰にでも起こりうるものだといえるでしょう。 |
(千葉大学大学院 医学研究院 環境労働衛生学分野 大久保 靖司) |