eSampoおすすめ度
:初めて知った恋の痛み、どうにもならないもどかしさ。青春の1ページがここにある!!
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「好きだけじゃ、どうしてだめなの?」誰もの記憶をくすぐる、甘くほろ苦い感覚!
ニューヨークに住む俳優の卵ウィリアムは21才の誕生日の直前、歌手志望のサラと知り合い、恋に落ちます。それなりに女の子と付き合ってきたウィリアムでしたが、自分でも信じられないくらいサラに夢中になっていきます。一方、サラも親に紹介するなど本気でウィリアムを愛し、二人は旅先のメキシコで結婚を誓い合います。
しかし、ロケ先からニューヨークに戻ってきたウィリアムを待っていたのは、自立を目指し、距離を置き始めたサラのよそよそしい態度でした。ウィリアムは、苦悩しサラに問いかけます。
「セックスしたらもっとあなたを好きになってしまう、それが怖い」
「どうして好きだけじゃ、ダメなの?」
「私を本当に好きなら理解して」
焦れば焦るほど、傷つき合い、すれ違ってしまう二人。
青春のほろ苦さや甘ずっぱさを思い起こさせてくれる本作は、弱冠38才の監督イーサン・ホーク自身が書き上げた自伝的小説の映画化。人間の感情は蛇口と違って、ひねれば即水が流れ、閉じればすぐ止まるのではなく、簡単には終わってくれない。そのもどかしさを俳優でもある監督が、ウィリアムの危うい行動を通してリアルに表現しています。
抜け殻のように部屋に閉じこもったかと思うと、彼女のアパートの前で大声で愛を叫んだり、絶え間なく電話をかけまくったり…。そんな、彼の行動の裏側には、失恋の痛みだけではなく、彼自身の生い立ちが絡んでいます。
「外国語」をしゃべるサラのバックグランド、別れて暮らすウィリアムの生父。貧富の格差、移民の社会、離婚と再婚を繰り返す家庭問題と、映画はさりげなく現代アメリカの若者を取り巻く環境を浮き彫りにしているのです。
劇中、サラが歌う曲の数々は、ノラ・ジョーンズの生みの親ジェシー・ハリスが手がけたもの。ノスタルジックで心にしっとり響くメロディーと歌詞は、サラの心境を婉曲に語りかけてきます。また主人公二人を取り巻く映画の舞台は、アーティスト志望の多いニューヨークのロウアーイーストサイド。その空気感が登場人物の心情にぴったりはまっているのです。
さて、映画の原題は『The Hottest State』ですが、邦題の方がしっくりくる、と思うのは私だけでしょうか。だって失恋でどうしょうもない時、『痛いほどきみが好きなのに』とついつぶやきたくなっちゃいません?
「痛いほどきみが好きなのに」
監督・脚本・原作・出演:イーサン・ホーク
出演:マーク・ウェバー、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ローラ・リニー、ミシェル・ウィリアムズ
2006年/アメリカ/117分/ビスタサイズ
提供:Entertainment Farm、博報堂DYメディアパートナーズ/配給:ショウゲート |