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:奇想天外で大胆不敵なストーリー展開に喝采したい!     |
人生のシナリオが書き変えられるなんて羨ましい
『人生のシナリオは、自分自身が書き上げ、自分がその主人公を演じている』といわれる。しかし、人は無力感に苛まれた時、落ち込んだ時には、『やっぱり人生のすべては、神様か運命に委ねられているのかも』と感じ、与えられた定めに身を任せるしかないと思ってしまう。
本作の主人公、まじめ一徹の冴えない独身男ハロルドは、ある日ひょんなことで、有名な作家によって書かれている(進行中)、悲劇な結末の小説の主人公になってしまっていることに気付く。しかし、人生のシナリオを書いているのは人間であれば、その結末の死を阻止することだって可能なはずだ。ハロルドは自分の運命を変えていこうと必死の努力をする。
ストーリー展開は、観る者の意表をついていく。刻一刻と結末に向かっていくハロルドの命運を案じ、ハラハラドキドキさせられてしまう私達は、気づくと、ハロルドと同様映画の中に引き込まれてしまっている。
この素晴らしいストーリーを書き上げたのは、若干32歳の脚本家ザック・ヘルム。全くの無名だった彼の脚本が世に出るやいなや、ハリウドの多くの監督や俳優陣が創作意欲を掻き立てられ、あの名優ダスティン・ホフマンやエマ・トンプソンらがこぞって出演要請を行ったという。ご存知であろうが、脇役を演じたこの2人は、アカデミー賞主演賞受賞歴の持ち主である。
一方、監督を任されたのはドイツ出身で、アメリカで映画を学んだ若手監督マーク・フォースター。力作『ネバーランド』('04年)を見たプロデューサーのリンゼイ・ドーラン氏が、彼こそがヘルムの世界を理解し、確実に映像化できる監督として白羽の矢を立てた。フォースターは期待に応え、クラシックでシックな町シカゴを舞台に、大人のファンタジーを見事に映像化した。
主人公とヒロインはそれぞれウィル・フェレルとアナ・ギレンホールが演じている。フェレルはカリフォルニアでキャスターやテレビドラマなどでその多才ぶりを発揮し、『プロデューサーズ』('05)ではゴールデングローブ助演男優賞を受賞。本作ではハロルドと完全に同一化したとまで言われている。
一方のギレンホールはオリバー・ストーン監督の『ワールド・トレード・センター』('06)でその演技力を絶賛された。実に茶目っ気たっぷりに、ハーバード中退のパン屋を演じた彼女のキュートな笑顔は、ハロルドだけでなく、観客にまで人生の喜びを感じさせてくれた。
さて、自分の人生のシナリオを書き変えるため奮闘するハロルドは、果たしてその運命を変えられるのか・・・。
「主人公は僕だった」
監督/マーク・フォスター
出演/ ウィル・フェレル 、 エマ・トンプソン 、 マギー・ギレンホール 、 ダスティン・ホフマン 、 ほか
配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |