香りを感じるお話

季節ごとに感じる香りの風景など
身近な香りの話題をお届けします。
贅沢にフラワーバス
新緑の季節を迎えて、たくさんのハーブの花が咲いています。
ローズゼラニウムとジャスミンの花を摘んでフラワーバスにしてみたら、心安まる贅沢なお風呂になりました。
気持ちを静める
木々が一斉に芽吹くこの季節は、森林浴にでかけたくなりますね。
木々が生成する物質フィトンチッドは、自律神経や感情のバランスをとるのにとても役だってくれます。
ジメジメした季節、すっきり爽やかに
ここのところ、雨の降る日が少しずつ増えてきましたが、少し湿り気を帯びた緑の香りも、何とも言えず気持ちがいいものです。でも、本格的な梅雨に入るとそう言ってもいられなくなりますね。
ティートリー ジメジメしたお部屋の湿気が気になります。そこで大活躍してくれるのが、ティートリーのエッセンシャルオイル。強い殺菌・抗菌・抗真菌作用を持ちますので、ふき掃除用の水に1~2滴落としたり、除菌&カビ対策スプレーを作って活用してみましょう。ペパーミントやレモンとブレンドすれば殺菌力もデオドラント力もアップします。すっきりと爽やかな香りは、曇りがちな気分を吹き飛ばしてくれるでしょう。
香りと音を癒しむ茶館
中国茶の『千年茶館』を訪ねて来ました。
重厚な木の門を入り石畳を辿り、小さな池と茶神の仏像がある庭を経て玄関へ。
全く別の時空間に迷い込んだような静寂の世界が広がります。『風水』を取り入れ、古き良き中国の茶館を再現したという店構えは、隠れ家という言葉がぴったり。なんともいえない心地よさの中、庭を眺めながら、のんびりぽかーんとお茶の『香り』を愉しむことができます。
選りすぐりの茶葉をサーブしてもらい、聞香杯で香りを聞きます。シュンシュンと沸くお湯の音の温もりと、清の時代の家具たち。まるで物語のひとこまに漂っているようです。
店内に流れる茶館時間
酒酔いならぬ、お茶酔いというものがあるそうです。『香り』に酔う陶酔感が、居心地のよさを増しているのかもしれません。こんな場所で大切な方達と、香りを愉しむお茶会ができたら素敵です。
暮れていく庭の眺めは、異国へ旅しているような感覚さえ覚え、店名通りの『千年』単位の『茶館時間』があるのでは…とも感じられます。気がつけばかなりの時間を過ごしているのに一瞬のことのようでもあり、逆にわずかな時間でも永い時が感じられそうな…。
ミントタオル
夏の携帯必需品
毎日暑い日が続いています。ほんの少し歩いただけでふき出す汗。お肌はベタベタ、匂いも気になりますね。
そこで、お出かけの時にミントタオルをバッグに入れてみてはいかがでしょう。ミントタオルとは、ペパーミントのエッセンシャルオイルを1~2滴垂らした水でタオルをぬらして固く絞ったもの。ビニール袋に入れて持参します。
汗をかいた首筋をさっとひとふきするだけで汗が引き、気持ちもさっぱりリフレッシュします。日焼けしたあとのクールダウンにも効果的。お出かけ前に冷凍庫で凍らせておくのもおすすめです。
心に染みるペパーミントの香り
ペパーミントは、キャンディーやガムの香料にも使われいる、とてもなじみが深い香りです。慣れ親しんだ香りは、無意識のうちに安心感をもたらしてくれることがあります。真夏の暑さからくる精神的疲労やイライラ気分に、ほっと香りの一時を作ってみて下さい。
ペパーミントが苦手な方は、ラベンダーや柑橘系の香りのタオルで、簡単気分転換をはかってはいかがでしょう。
ハーブスコーン
秋にぴったりのハーブスコーン
いつのまにかもう10月。すこしずつ肌寒くなり、秋の気配を感じます。 運動会、文化祭、バザーとイベントが重なるシーズンでもあり、ハイキングにドライブと行楽のシーズンでもあります。
そしてなんといっても『食欲の秋』。美味しく楽しい食卓を家族や友人たちと囲めば、心も身体も元気になります。
香り良いハーブを使ってさくさくのスコーンを作ってみませんか。お休みの日の遅い朝食や、運動会、ハイキングなどでも、人気の的の一品になることでしょう。
材料:
ハーブ(ドライのもの):大さじ3~4ほど(お好みの量)
バジル、ローズマリー、ミント、フェンネルシード、キャラウェイシード、タイム、アニススード、カモミール など
ナッツ類 : お好みの量
薄力粉 : 300g
強力粉 : 150g
ベーキングパウダー : 大さじ1半
無塩バター : 140g
砂糖 : 50g
卵 : 2個
牛乳 : 70~80cc
作り方
1.ボールに薄力粉、強力粉、ベーキングパウダーをふるい入れます。
2.1cm角に切ったバターを入れ、手ですり混ぜてパラパラにします。
3.ドライハーブを入れて混ぜます。
4.あらかじめ卵と牛乳を混ぜておき、3に少しずつ加えます。
5.ナッツ類を入れて練り込みかるくまとめます。
6.ラップに生地を包んで1時間ほど冷蔵庫でねかします。
7.こね台に打ち粉をして6を乗せ、めん棒で2~3cmの厚さにのばします。
8.このみの型で抜きます。
9.あたためておいた200℃のオーブンで15分~20分焼けばでき上がりです。
10.あつあつのスコーンに、手作りのジャムやブレンドハーブティーを合わせてお召し上がりください。。
香りのクリスマス
『クリスマスの香り』というと、みなさんはどんな香りを思い出しますか?
もみの木?お菓子に入れる洋酒づけのフルーツ?シナモン?ジンジャークッキー?
オレンジ?アップル?今回はクリスマスにまつわる香りのお話です。
賢者が送る『黄金に値する香り』
新約聖書の『マタイによる福音書』の中に、イエス・キリスト誕生の話があります。イエス・キリストが生まれた時に、東方の三人の賢者が、星の輝きを見てそれを知り、贈り物を持って駆けつけます。その贈り物のひとつは黄金、もうひとつが乳香(フランキンセンス)、そしてもうひとつ、没薬(ミルラ)でした。
フランキンセンスとミルラは樹脂の一種で、今もエッセンシャルオイルという形で私たちが利用できるものです。古代、このふたつの樹脂は黄金に値するほど貴重で高価なものだったのですね。
お友達に香りをプレゼントはいかが?
クリスマスシーズンのオーナメントとしておなじみのオレンジポマンダー。
オレンジの実にクローブ(丁字)をさし、シナモンを中心としたスパイスミックスをまぶして乾燥させたものです。もともとは、エリザベス王朝の時代に疫病よけや魔よけのお守りとして作って身につけられていました。甘く温かなオレンジとシナモンの香りは、心をウキウキさせてくれます。クリスマスソングをBGMにしながら、お友達へのプレゼントに作るのも楽しいですね。
クリスマス・リースに香りをプラス
エッセンシャルオイルの中には、フランキンセンス、ミルラ、オレンジ、シナモン、もみの木、パイン、サイプレス、ジュニパー、シダーウッド、ジンジャー、クローブなど、クリスマスを連想させてくれるものがたくさんありあます。手作りのクリスマスリースにこれらの香りをつけてみるのはいかがでしょう。リースとは『輪』の意味で、ギリシャ・ローマ時代には花や葉、枝などで飾ったものを酒宴の席などで用いました。始めも終わりもない『輪』は、神様の愛と永遠を意味するのだそうです。幸せを願って魔よけとして玄関先に飾ります。
また、クリスマスには、ミツロウを使った手作りのアロマキャンドルもおすすめです。キャンドルの炎を囲んで、フルーツや木の実をたっぷりと使ったシュトーレンと、オレンジやシナモンを入れた紅茶やホットワインでのホームパーティーなど、香りの愉しみ方は尽きません。どうぞみなさま幸せいっぱいのクリスマスをお迎え下さい!
和を感じる香り
梅の香りは春からのお便り
私の住む横浜には『三渓園』という梅の名所があります。2月8日~3月7日の間、観梅会が開かれ、箏曲演奏や獅子舞が行われるとのこと。お天気のよい日にのんびり出掛けてみようと思います。
皆様のお近くの梅便りもそろそろでしょうか。小さくて可愛らしい梅の花と、甘い梅の香り。春を呼び込む風景ですね。
なつかしい和の香りにも色々な効能
梅の香りのように和を感じさせてくれる香りは、なぜか心が落ち着きます。
アロマテラピーというと『洋』のイメージがありますが、エッセンシャルオイルの中には『和』を感じさせてくれるものもあります。檜、ヒバ、ゆず、ハッカ、紫蘇などのエッセンシャルオイルです。
檜やヒバはお部屋の空気清浄に、柚子はお風呂で、ハッカや紫蘇は胃腸の機能改善に…と、ホームケアにも大活躍してくれます。時々、こんな和のエッセンシャルオイルも取り入れて、香りのある暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。
薔薇の香り
薔薇の香りを色は自然からの贈り物
満開の桜の期間もあっという間に過ぎ、やっと本格的に暖かくなってきました。
薄着になって、いつもよりすこし遠くまでお散歩をしたくなります。
道ばたで見つける花々の色鮮やかさは、心まで明るく浮き立たせてくれ、木々の新芽が、新しく生まれる命の力強さを感じさせてくれます。ものを言わない植物の、優しい贈りものがいっぱいの季節ですね。
満開のバラ園でこころとからだを癒す
エッセンシャルオイルの中には、花から抽出した香りがいくつかあります。
代表的なものがローズ。そして、ジャスミン、ネロリ(オレンジの花から)、カモミール、リンデン、イランイランなどです。
『香りの女王』とも言えるローズのオイルは、オールドローズと言われる薔薇の原種の中のひとつであるダマスクローズから抽出します。ローズは古来から世界中で愛されてきた花で、特に女性のお肌には効果的と言われています。その優雅で気高い香りは、心の中の不安や悲しみなどの感情を抱きしめて癒してくれます。
まもなく迎える5月には、ローズオイルのためのダマスクローズを収穫する薔薇園が満開になります。あたり一面の薔薇の香り…想像するだけで心が躍りますね。
気持ちがちょっと沈んだ時、忙しくて息切れしそうな時などは、天然の花の香りのエッセンシャルオイルで幸せいっぱいリラックスしてみませんか。
香りと出会う旅
南国の花の香り
8月も中旬にさしかかりました。皆さま、夏休みをどんな風にお過ごしでしょうか。
海外旅行に出かける方の数もピークの時期ですね。私も海が美しい場所へ出かけることが大好きです。この季節は、海の潮の香りと南国の花の香りに心が旅をします。空港に降り立った時、どこからともなく漂ってくる甘い花の香りは、旅への期待感とともに気持ちを高揚させてくれるように思います。
香りを探して求めた旅
ある年のハワイ旅行で、ハワイの花々のエッセンシャルオイルを探したことがあります。ハイビスカスやジンジャーなどのエッセンシャルオイルは「きっとハワイのお店にあたりまえのようにある」と思ったら大間違い。アロマテラピーショップに並ぶのは、日本で見かけるものと同じ種類のエッセンシャルオイル。雑貨店で見かけるものは、オー・デ・コロンやボディケアグッズに作られたものばかり。100%ピュアな花のオイルがないことに意外にも苦労をしました。諦めかけた最終日、あるショッピングセンターで、6種類の花のオイルに巡り逢うことができ、忘れることができない旅の想い出になっています。
ハワイの花嫁が飾る甘く気品ある香り
その時にはじめて出会った香り『ピカケ』は、甘く気品ある香り。白い小さなハワイアンジャスミンの花で、ハワイ語で孔雀の意味を持ち、レイは花嫁を飾ることでも知られています。ハワイ王朝のプリンセス、カイウラニがこの花と孔雀を愛したことから名付けられたそうです。ジャスミンの香りは、優しい陶酔感と幸福感をもたらし、不安な気持ちを追い払ってくれると言われます。激動の時を生きた美しいプリンセスは、王宮の庭に咲く可憐な花の香りに安らぎを見いだされていたのでしょうか。皆さんのバカンスの想い出の中にはどんな香りがおありですか。
天使の香りをプレゼント
日に日に寒さが厳しくなって参りました。 今年も、残すところあとわずか。いかがお過ごしですか。 もうすぐクリスマスですね。街のあちこちで、クリスマスイルミネーションが、とても綺麗です。 クリスマスの季節になると、なぜか、ワクワクと心が躍ります。 キラキラと輝くクリスマスツリーのせいでしょうか。それとも、街に響くクリスマスソングのせいでしょうか…。
皆さまは、お友達やご家族へのクリスマスプレゼントは、もうお決まりになりましたでしょうか。差し上げる方のお顔を思い浮かべて、心を込めてプレゼントを選ぶひと時も、とても楽しいものですね。
クリスマスのエッセンシャルオイルを愛しい人へ
私は、友人たちやお世話になった方にお贈りする今年のプレゼントは、 自分で合わせたブレンド精油と、それを染みこませる小さなテラコッタのセットにしました。 クリスマスを感じさせてくれる精油を集めて、ブレンドをしてみました。
たくさんの精油を前にして、あれこれと香りを合わせていると、とても幸せな気持ちになります。 イメージをする時も、出来上がったブレンド精油をはじめて試す時も、なんとも言えず嬉しい時。 そしてさらに、ブレンド精油は日を追って熟成されていきますので、毎日少しずつ香りが変化していき、それを日々楽しむのも、格別。 こうして、しばらく熟成させたブレンド精油のボトルに、手作りのラベルを張り、ラッピングをして準備完了。クリスマスを待つばかりです。
天使の香りと森の香りで聖夜を演出
クリスマスに選んだ香りは、モミの木の仲間のホワイトファー、天使の香りといわれるバニラ、ポマンダーでもおなじみのオレンジ、ヴィーナスの 神木といわれるギンバイカ、聖書のキリスト誕生のお話に登場する乳香、心を温めてくれるシナモンバーク など。 オレンジとバニラの甘さに、シナモンのピリっとしたスパイシーな香り、その奥で凛とした森の静けさが漂うような、そんな香りです。
こうして、ブレンドした精油は、テラコッタに染みこませるだけではなく、電気式のデュフューザーなどでも使って頂けます。 また、アルコールや精製水で薄めてエアミストにもなります。 クリスマスリースに染みこませたり、キャンドルに垂らしても、とても良い香りです。
様々な使い方が楽しめるブレンド精油を、時々、テーマを決めて作って楽しんでいます。 皆さまも、ぜひ、お手持ちの精油をいくつか合わせて、オリジナルの香りをお作りになってみて下さい。 新しく楽しい発見があるかもしれません。 どうぞ、素敵なクリスマスをお迎え下さい。
