会社の対応にギモン
有給休暇の強制ってアリ?
正職員として介護福祉士(ヘルパー)をやって5ヶ月になります。来月、ようやく年休がもらえるのですが、いきなり「半日休暇」を取るように言われてしまいました。この仕事は、派遣先の組み合わせの関係で、午前か午後に仕事が入らず、スケジュールが空いてしまうことがどうしても出てきます。その場合に、有給休暇を消化するカタチで「半日休暇」をとるのですが、今までは、勤続年数が多くて年休をいっぱい持っている人が、有給休暇を取ってくれていました。
ところが今回は、私が「半日休暇」をとるように言われてしまいました。私の有給休暇は、10月から、1年間で10日間しかないのですが、その10月の第1週の月曜日にいきなりです。「これから何が起こるかわからないから、できたら有給休暇は取りたくない」と先輩に伝えたところ、結局は先輩が気をつかって休みを交代してくれることになりました。
しかし、今後もこのような事はあると思います。今回も、私が訪問しても問題がない派遣先だったのに「派遣先の関係で、他の人は休めないから」といわれました。これに従っていたら、そのうち有給休暇が”強制された休暇”で終わってしまうのではないかと不安です。
うちは、時間休暇も認められていないので、1分の遅刻でも「半日休暇」になってしまうし、公休、有給休暇以外の休みは、ボーナスの20%カットになるそうです。ただでさえ、給料安いのに…。(大卒ですが、友達の話などを聞くと、私が今もらっている額は短大卒ぐらいらしい)このように、強制的な有給休暇の消化は仕方ないのか、教えてください。
使用者側とよく話し合ってみて
有給休暇というのは基本的には労働者側から申請するもので、使用者が”いついつ取りなさい”と強制はできません。まして、半日休暇という考え方はあくまでも、労働者が求め、使用者もそれに異論がなければ設定できるものです。しかし、この場合にはこの半日というのが何時間なのか、労働時間をきちんと決めておく必要がありますね。
また遅刻に関して、あなたが時給契約で働いて、1分遅刻すると1分ぶん減らされるというのなら仕方がありませんが、きちんと正職員で給料としてもらっているのですから、遅刻が減給の対象になるのは、ボーナスでということになります。ボーナスは使用者が雇用者の労働状況や全体の業績に応じて出すものですから、これに関しては、法的に異論を唱えることはできません。
つまり、こういうことではないのですか。あなたの組織は欠勤や遅刻は20%ボーナスカットするといっているのでしょう。それに対して、有給に換算して欲しいと言ったのはそもそも雇用者だったのではないでしょうか。有給の内ならボーナスの査定にひびきませんものね。それがいつの間にか、「遅刻は有給休暇に振り替え」と決め事のようになってしまった。もし、あなたが有給休暇に振り替えたくないと言えば、それは使用者としては全く構わないのではないでしょうか。ボーナスのカットをすれば良いだけのことですから。考えようによっては、本来、有給休暇は1日設定ですが、それが半日休暇の振り替えで済むのは、むしろ雇用者として有難いのでは?
整理すると
(1) 使用者は雇用者に、有給休暇を取る日程を強要することは出来ません。但し、繁忙期において、取得させるのが困難な場合には拒否することができますが、その場合も代わりの日を強制することはできません。
(2) 半日休暇を設定する場合は、半日を何時間と設定するのか明確にしておくこと。1分遅刻して、後の時間を全部勤務するのでは、半日休暇にはなりませんものね。使用者側とこの辺の取り決めが必要ですね。これの取り決めはなかなか難しいので、きちんとした話し合いが必要です。
現実に今はどこも厳しい状況です。組織があるからそこで働けるわけです。何に対しても、使用者側と対峙したり搾取されてる感を持つと、現実が見えなくなることがあります。上記の内容をよく理解した上で、使用者側と話し合ってみることをお勧めします。
社会保険、有給休暇のない私
契約社員で有給休暇がなく社会保険にも加入できません。以前の相談のアドバイスで「有休は労働基準法に基づいて正当に取れる権利です。これについては断固会社に請求すべし。勤続15年の場合で8割以上の勤務があれば、たとえ契約社員であっても年間20日は取れます」とのことでしたので、相談いたします。
私は半年契約で始めて、初めの半年分のみ契約書を作成し、以降その都度更新するという話でしたが、契約書も作らないまま5年になります。会社の休日以外、年に2~3日程度しか休んでいません。休日出勤もしています。(別途手当てあり)
契約社員の方が、年収もよく勤務時間も少ないので(5年前は勤務時間が9時から5時だったのですが、今は5時半までに変わっても、契約があるので5時までとなっています。ただし5時以降も無給の時間外労働をすることが多々あります)このことは好都合ですが、雇用保険以外いっさい、社会保険も有給もありません。5年前の契約書に『有給は認めない』と明記されていますが、それは労働基準法上合法でしょうか。
会社の方針で、人件費を安く抑えたいという理由から業績は認めても正社員にはできないということを言われていますが、社会保険と有給さえ認めてもらえれば正社員にはこだわりません。逆に、正社員になればそれらを認めてくれても、年収が一般の女性正社員並の半分くらいになるのはいやなのです。
会社とうまく交渉する方法はありませんか。法律を盾にとって経営者や人事担当者と気まずくなってまで、交渉するつもりはありませんが、ある程度話し合いたいのですが。
権利意識だけを持つのではなく、成果を出す
5年間も有給休暇無しで、働いてきたなんて偉い! 文句も言わず頑張ってきたんですね。きっと会社もそれに甘えてきたんでしょう。
さて、有給休暇は契約社員であろうとパートであろうと、その雇用形態とは関係なく取得できるもので、関係するのはあくまでも、年間の勤務日数と勤続年数なんですね。そもそも契約書に「有給休暇はなし」なんて書いてあること自体が違法なのです。その契約は無効。それから社会保険に関しても、その人が2ヶ月以上勤務して、その間のひと月の就業が他の正社員の4分の3以上、かつ1日の就業時間も4分の3以上であれば、会社はその人を社会保険(厚生年金と健康保険)に加入させなければなりません。つまりあなたは有給休暇も社会保険も取得できるということなのですね。
さて問題は、どうやって、ことを荒立てずに交渉するかということなのですが、では会社はなぜ、こんな無謀なことを始めちゃったのかな、と考えてみる?あなたと同じような仕事をしている人の給料はあなたよりずっと安いということですが、それは会社があなた の実力と能力を認めたから?それとも、もしかすると、社会保険や有給休暇のない分を考慮して設定してしまったのでは?勿論そのこと自体が問題で、給与額の設定をする時に社 会保険や有給休暇を交換条件にする事は出来ません。でもお話の様子ですと、この会社はたぶん法的なことを深く考えずに、単純に決めてしまったのではないでしょうか。こんなこと意図してやったとは思えないもの。
会社もあなたも認識しておかなければならないことは、給料額の設定と有給休暇、社会保険は全く別の問題であるということです。社会保険に関しては、さかのぼって加入する事も考えなければなりません。詳しい事は社会保険事務所に相談されると良いと思います。また有給休暇は所定の勤務日数を満たしていれば5年勤続で18日は取得できることになります。ただ契約内容がわからないので明確には言えませんが、今期は今の給料をカットする事は出来ませんが、次年度会社が契約更新の際に正当な理由があれば(あなたの業務上の理由など)、給料のカットを言ってくることはありえます。
そうさせないためには、あなた自身が、会社にとって高給を出すだけの価値のある存在になること。実際問題として会社の負担額は相当多くなりますから、他の人と同じ働きでは会社は意味がないと思うでしょうね。あなた自身の会社に対する貢献度が他の人との比較も含めて正当な評価値であるかどうかをチェックすると良いですね。
権利という言葉はあまり好きではありませんが、会社は社員に対して当然の社会の決め事を守り、また社員の側は権利意識だけを持つのではなく、会社の求めている成果を出す。そして双方が、当たり前のことを当たり前にやる風土になると良いですね。
年間契約社員の年収交渉
1年契約で部署を任されています。年間契約社員として働いて勤続15年になります。
年間売上約1億。粗利は約36%。部下もアルバイトの雇用もすべて、私にお任せ状態です。会社は何も手伝ってくれません。毎月数字のチェックのみ。1ヶ月の平均労働時間は180時間。正社員は9時から5時半までの就労で、完全週休2日制。私には有休も無ければ基本給以外の手当ては一切無し。もちろん賞与もかなりの差。正社員は年間6に対して私は年間1。
今、継続の交渉中なんですが、賞与年間5を要求したら、会社側から年間2の回答。納得いかなくて、怒ってます。売上1億あげてるのに、私の年収は現在たったの390万。これって割に合わない!会社側は私が退職をしたら、この部署をやめてしまうしか方法は無いと言います。正社員の誰も、むずかしくて出来ないという事を認めています。なのに、賞与たったの2と言う答え。
退職はしないだろうと甘く見られているようです。私はもう、いい加減利用され続けるのはいやで、この会社側の回答にYESの返事はしたくありません。うまく交渉をしていきたいのですが、どうしていけばいいのでしょうか?せめて年収390万を600万近くまでもっていきたいのですが…。だって自分1人の力で会社に純利益3600万あげてるんですもの。くやしくって…一般の会社において、年間契約社員の交渉でプロ野球選手のような契約は出来ないものなのでしょうか!?
働く気力がうせてしまって…実際この営業成績で年収いくらくらいまで交渉の余地があるものなのでしょうか?
ポイントをよく理解した上で交渉に臨むこと
そうですね。会社はあなたが辞めないとタカをくくっているのでしょうね。勤続15年でどうして今まで正社員にならなかったのでしょうか?そこまで成績を上げている人に対して、どうしてそういう状態が続いているのか、ちょっと理解に苦しみます。
さて会社と交渉するにはまずきちんと頭の中を整理しておくこと。
(1) 売上と利益について:
年間売上1億 粗利36%
通常粗利とは売上高から売上原価を引いたもの
売上高-売上原価=粗利益
売上原価とは企業が取り扱う商品そのものの費用です。
粗利から販売費及び一般管理費を引いたものが営業利益です。
粗利-販売費と一般管理費=営業利益
販売費及び一般管理費とは、人件費(給料、厚生年金、福利厚生費、労災保険、交通費)、事務所家賃、光熱費、広告宣伝費、交際費、交通費、通信費(電話、郵送など)、配送費、 事務消耗品費など目に見えないけれども発生している諸々のものがあります。
そして営業利益から、銀行の利息や手数料などを差し引いたものが経常利益となるわけです。さらにこれから法人税などを引いて純利益となります。
(2) 給料について:
あなたの年俸が他の人と比べて(あなたの部署において)どれくらい低いのか。あなたは契約社員なのですから、賞与で他の人と比較するのではなく、比較すべきは年俸でどうかということです。
(3) 有給休暇について:
有休がないということですが、有休は労働基準法に基づいて正当に取れる権利です。これについては断固会社に請求すべし。勤続15年の場合で8割以上の勤務があれば、たとえ契約社員であっても年間20日は取れます。
以上のポイントをよく理解した上で交渉に臨むこと。漠然とした被害者意識では交渉に はなりません。あなたにどんなに実力があっても、組織は一人では回りません。あなたが成績を上げるために見えないところで援助をしている人たちがいることも忘れないようにしてください。
実際にあなたの実績と年俸の390万が妥当なのかどうかはわかりませんが、もし、交渉がうまくいかずそれが不満であるなら、自分をもっと高く買ってくれるところを探すことです。私自身は何が嫌いって、文句言いながらそこにいること。そこにいるなら腹をくくってそこでベストを尽くす。それが出来ないなら別の場所をさがす。他がないので仕方なしに文句をいいながら居つづけるなんて、自分にとっても会社にとっても決してプラスにはならないでしょう。
以上のことを良く考えて、自分が納得できる数字を会社に提示されたらいかがですか。 もしあなたの中で辞める覚悟が出来ていても、それは表には出さないこと。受け入れられないなら辞めますという態度は、決して気持ちの良いものではありません。脅しと同じですよね。最終的な内容にどうしても納得いかなかったらその時初めて、「大変残念ですが、では辞めさせていただきます」と最後の最後に言うこと。会社と喧嘩するのではなく話し合うという姿勢で臨んでくださいね。
職場結婚したら、異動させられる?
現在,同じ部署の人とお付き合いしています。結婚を考えているのですが、職場結婚になってしまうのでいわゆる「異動」があるのではないかと落ち着きません。現在の職場での仕事については満足しているのですが、もし「異動」したら、他の部署で同じような仕事はできません。「異動」があるならばなぜそのようなことを会社側がするのか、一般論として教えていただけますか。もちろん社則にそのような規則はありません。
新しい環境で一からスタート
社内結婚の場合、同じセクションはもちろん業務によっては、まずどちらかが異動になるのは一般的ですね。ではなぜか、それは愛は全てに優先するからです。
会社は仕事が最優先であるべきところ。全ての判断基準が仕事上でなければならないからです。勿論あなたもそしてほとんどの人が、私情を仕事にはさんだりはしない、と言うでしょう。しかし実際問題として、同じ職場で全くのあかの他人と身内が同じ感情でいられるはずがないからです。だって愛し合っているんですもの。他人から見たら、たとえご主人とあなたが仕事上対立したとしても、夫婦げんかと捉えられたり、逆にあなたがどんなに公平にしているつもりでも、他人から見ると私情をはさんでいるように見られてしまったりするものなのです。また人事部など社内秘を扱う職場には社内に身内のいる人を置かないのも一般的です。たとえばまだ会社が本人に通達していないご主人の人事異動をあなたが事前に知ってしまったら、あなた自身それを家に帰ってご主人に告げるかどうか悩みませんか?
そうした起こりうる様々なことを予め避けるということです。いや実際にそうした体験から会社も学習しているのです。
これを機会に新たな挑戦をするのも良いではないですか。一所に留まらず、何でもやってみることはあなたの将来にとっても、大変良い経験になるはずです。新しい環境で一からスタート。それは結婚生活も仕事も同じ姿勢。満足のいく状況をつくるのはあなた次第です。
最後になりましたがおめでとう!
こんなこと許される?産休の対応
私の知人が今年初めに妊娠しました。本人は就職するときに、産休がとれることを会社側に確認していたので、その手続きをとろうとしました。しかし会社側(特に社長)は、産休するくらいならいったん退職して再雇用する、といってきたそうです。それも再雇用の契約ではなく、念書みたいなものでごまかされようとしているようです。
私はこれでは再雇用の保証になっていないと思い、ちゃんとするよう助言したのですが、本人は念書で再雇用してくれると思って、ことを荒立てない方向で退職するつもりです。
こんなことが許されるのでしょうか? 女性を相手に商売をしている会社なのに、女性を蔑視した社長の発言は、とても社会的に許される事ではないと思うのです。
法律の知識や戦う術がわからない私達は泣き寝入りするしかないのでしょうか?どうかお知恵を貸してください。
本当に復職の意志があるか
まず、会社の対応、あなたや友人の考えは別にして、法的解釈を述べてみましょう。
昭和61年に男女雇用機会均等法が施行されて以来、社会の意識の変化に伴い企業自身も変革を余儀なくされてきました。男性中心の考え方から脱皮し、女性にも男性と同じように活躍の場を開放し、差別のない企業風土を作ることが叫ばれています。さらに平成11年4月には、企業にとって今までは「一部禁止」や「努力義務」として位置付けられていたものが義務化となるなど、均等法が改正されました。お尋ねの産休の件はこの中にあります。
事業主が定年、退職および解雇について、してはいけないこと。
(1) 労働者が女性であることを理由として、定年及び解雇について男性と差別的取り扱いをすること。
(2) 女性労働者について、結婚、妊娠または出産したことを理由とする退職制度を就業規則などで定めること。
(3) 女性労働者が結婚、妊娠、出産したこと又は労働基準法の規定による産前産後休業を取得した事を理由として解雇すること。
つまり法律的には、彼女は退職をする必要はないということ。社長との約束があるなしに関わらず、法的には守られています。妊婦は会社に予定日の6週間前から休みを請求することが出来、また会社は産後8週間は就業させることが出来ません。他にも妊娠週数によって、健康診断を受けに行く時間の確保や、請求すれば時間外労働や深夜労働、出産機能に有害と判断される業務などはしなくて良いことになります。さらに産後の育児休業として、その子が一歳になるまでは、休みを取る権利が認められています。もし就業した場合でも1年までは1日2回各30分程度は育児期間として、授乳のための時間を確保することも出来ます。最もこれは会社に保育所でもなければ無理ですが。
以上が産休と育児休業の考え方です。つまり彼女は当然の権利として育児休業を請求出来ます。もし会社がこれを拒否するのであれば、労働基準監督所に訴えることも出来ます。 しかしながら、一つだけ真剣に確認して欲しいのは、彼女の”復職の意思”です。
会社がせっかく育児休業を与えても、ふたを開けたら戻ってこない。そしてけろりと「すみませーん。やっぱり子育てに専念します。」なんて平気で言われてしまうことも、大変残念ながらしばしばあるようです。会社側の本音で言えば、彼女のポストはすぐに誰かに代行させなければならない、取りあえずの辛抱と思って対応をしておいたら、期間が終わっても本人が復職しない。そればかりか、その間に会社が負担する保険料なども全く無駄な経費となってしまうわけです。その繰り返しで懲りている会社がたくさんあることも事実です。
つまり、女性が自分で自分たちの進む道を妨げている場合も多いのです。「取りあえず休暇を取って…それから考える」ではなく、本当に自分自身の子育てとライフプランをしっかり設計して、本気で復職の意思があるなら、”当然の権利”を請求してください。権利を取ったら義務を遂行する、その姿勢を私たち女性自身が確立していかなければ、いつまでたっても、本当の意味での平等な社会にはならないでしょう。
お互いの信頼関係がないと、勝者と敗者のような気持ちになりがちですが、泣き寝入りするとか、戦うとかいう問題ではないように思います。またこの社長が女性を軽視した発言をしていることが許せないとありましたが、それはこの産休の問題とは別。あまりひどければセクシャルハラスメントの問題として取り上げてみてはいかがですか。