お仕事Q&A大辞典

セクハラに”怒”

「彼らは何かおかしい」

会社の支店長(38歳)と後輩の男性3名(25・24・22歳)が、聞いていてとても不愉快な話ばかりします。私の職場は自動車販売会社の支店で、支店長以下、営業スタッフ男性4名、女性は私ひとり、計6名の営業スタッフが居るのですが、まるで仲良しクラブのようで…。
  お客様が若い女性だったりしたら、4人はその女性を見ながらセクハラまがいの会話をして笑ってる始末。また急に「キャッチボールがしたい!」と言っては、事務所の中で始めます。社長が来店しても、くわえタバコで「ごくろーさんです」と言うんですよ、社長に向かって!新入社員に女性が居ると、「男女雇用均等法に基づき、男と同じように扱おう!まずは、お酒をたくさん飲ませて、脱がせて写真撮ろう」などど、平気でふざけて笑いながら話している…。何か手伝ってあげても、「ありがとう」もまともに言えない。私がショールームでお客様の応対をしていても、お茶汲みを手伝わない。それどころか、私が忙しい為に彼らのお茶汲みが出来なかった時など、「甘やかしちゃいかん」と言って何もしてくれないんです。
 こんなのはほんの一部なのですが、私の「彼らは何かおかしい」という感覚は、おかしいのでしょうか?

あなたはどうしたい?

ひどいひどいひどい職場だ!均等法が施行されてはや10年、昨年4月には更に改正されて、本格的に社会の意識が変わってきているというのに、いまどきこんなひどい会社があるなんて!それに今のこのご時世、どこの企業も危機感を募らせて真剣に業績回復に取り組んでいるはずなのに! なんとお粗末! なんと幼稚な! 信じられない! ほんまかいな!

 ではどうするか。
  問題は彼らの「個人的な質」と「企業の質」です。どちらも相当レベルが低いと察しますが、「企業の質」は他支店ではどうなのでしょうか?社長に「ご苦労さんでーす」なんて言っているのを社長自身が野放しにしているようでは、あまり見込みはなさそうだけど。企業風土に少しでも見込みがありそうなら、本社か組合に直訴する事もできるけど、そうなったらあなたは孤立して、全員を敵に回すことになる。相当大変な覚悟が必要。そうまでして戦えるか?

 あなたのこの悩みは、いわゆるセクシャルハラスメントの環境型:就業環境が害される こと(意に反する行為により就業環境が不快なものとされ、個人の職業能力の発揮に重大な悪影響が及ぶなど、就業上み過ごせない不利益や被害が生じること)に入ると思うけれど。 あなたはどうしたいと思っているの?

 彼らの意識を個人的に変えるのはまず無理でしょうね。こんな人たちを相手にして、きりきりしたくない。でもこのままいるのもシャクに障る?それとも、一度”キレて”しまうのはどう?怒鳴るの。「あなた方は職場を何んだと思っているんですか!冗談じゃない!」って。出来るかな?

 もしあなたが辞める気がなく、このままこの会社にいるつもりなら、あなたのアプロー チを変える必要があるでしょう。たぶんあなたは優しくって、あまり文句を言わない人なのでは?こういう人たちは弱いものには強く、強いものには弱い。つまりあなた彼らになめられてるんだと思う。とにかくあなたがいないと困る、あなたがおへそを曲げると業務に支障が来たすという状況を作ってしまうの。そして本当に困らせるの。これはじわじわとやる。

 でももし、この職場に未練がないなら、取りあえず在籍しているうちに転職先を探すことですね。こんな職場失ったってどうってこと、ない。

子供が欲しい私に、上司のこんな一言…

看護婦をしております。31才です。
結婚して9ヶ月ほどになりますが、年齢的なことも考えれば、すぐにでも子供が欲しいと願っています。なのに、なかなか授かりません。 新しい職場に入職してすぐに、職場の直々の上司にこんなことを言われました。
「もちろん子供はすぐにつくらないんでしょう、計画して就職してきたんでしょう」と。
確かに管理職の立場としておっしゃったのでしょう。すぐに妊娠しては、やはり同僚に負担がかかりますから。 でも、すぐにでも妊娠を願う私にはその言葉がとてもひっかかっています。

今日自分の仕事に全力をつくすこと

私の会社も社員は女性ばかり。ご相談のようなことは常に頭の中からはなれません。組織として、人を雇った以上は特にその人が優秀であればあるほど、出来るだけ長く勤めて欲しいと思うのは当たり前。管理者としての発言はある意味では当たり前のこと。あなた自身もそれは理解していらっしゃるようですが、何か釈然としないものが残っているのでしょう。
いいんです。いいんです。そこは きつね と たぬき。
人生なんて何があるか誰にもわからないんです。あなたがいくら妊娠計画を立ててもその通りに行く保証はないし、そのつもりでなくても、そうなってしまうこともある。 重要なのは 今のあなたの仕事に取り組む姿勢であって、どうなるかわからない先の事で、半身になったり、中途半端な仕事をしないということです。 すべき事は、今日自分の仕事に全力をつくすこと。明日妊娠したら、出来るだけ早くそれを上司に告げて、産休を取るまでの間、やはり全力をつくすだけ。 上司の嫌味の5つや6つ、言わせておいておあげなさい。
あなたの人生を左右することは出来ないんですから。

「だから女には任せたくないんだ。」

総合職5年目、メーカーで販促に携わっています。
先日の企画会議でのことです。私の出した企画について話し合った時、課長にダメ出しをされ不覚にも涙を流してしまいました。企画が通らなかったから、ではなく、課長の理不尽な態度に感情が高ぶってしまったのかもしれません。 というのも、その企画がダメな理由というのが、「なんか気にくわない」。具体的な説明を求めても「とにかく、ダメ」の一点張り。納得いきませんよね。 挙げ句の果てに、涙を流した私をみて「だから女には任せたくないんだ」。 確かにあの時、私も冷静さを欠いていたと反省しています。でも、多分いままで 課長に対して感じていたストレスが、爆発してしまったのかもしれません。この課長は昨年9月に着任したばかりなのですが、当初から、女性に対する偏見を言葉や態度の端々で感じていました。 結局私はこの企画からはずされ、2年後輩の男性が担当することになりました。それは仕方ないにしても、このことがあって以来大きな仕事をさせてもらえなくなりました。この課長がくる前までは、それなりに大きな企画を担当してまわりからも認められていただけに、くやしくて仕方がありません。同じチームの男性に相談しても、何もしてあげられなくてすまない、と言うばかり。
このままでは、もっとストレスがたまっていきそうです。かといって、会社をやめようとまでは思わないし。課長はもちろんですが、私の人事異動もありえません。 この状態で、どうしたら気持ちを切り替えられることができるか、どうぞ教えてください。


“女を理由に差別されている”という意識を捨てよう

実際、均等法がどうのと言ったって、まだまだ女性はマイノリティー。
男性の築いてきた社会の中で女性蔑視の考え方はそう簡単には払拭できそうもありません。法律で人の気持ち までを変えることは出来ないのですから。総合職と言えどもあなたのような目に会っている人は結構多いのです。これに関しては、時が熟するのを待つしかないのでしょう。しかし、それだけでは何の進歩もありません。
そこでこう考えてみてください。
人は差別をされると必ずその理由を追求します。
あなたも課長から冷遇されている理由は女であるということを挙げています。
私の知り合いで、大変優秀で、周囲からも認められてバリバリ仕事をしていた人がいました。ところがある時やはり上司が代わったとたんに、全く無視され、認めてもらえないどころか、冷遇され続けています。もう何年もです。 この人が冷遇されている理由は何だと思いますか。女性だからではありません。
なぜならこの人は男性だからです。

つまり差別をしようとする人にとって、理由は何でもあるということ。
問題の要因を私たちの力ではどうしようもないことにだけ捕らわれてしまうと、不満だけが増幅され、何の解決にもなりません。だからこそ、私たちは“女を理由に差別されている”という意識を捨てようではありませんか。だって絶対に女はやめれないんですから。女であるということは、特徴の一つでしかないのです。
課長があなたに辛くあたる他の理由を考え出してみてください。
あなたの企画自体の問題点はないのでしょうか。
課長との人間関係はどうなのですか。
前の上司の方が良かったという気持ちが態度に出たりしていませんか。
あなた自身が女性であるという意識を捨てられたら、私のアドバイスはこうです。
平賀源内がこんな言葉を残しています。「ボールは下に落ちなければ弾まない」。
日はいろいろな人に当たらなければならないのです。あなたにばかり日があたっていたのでは、あなたの影で くすぶってしまう人もいるはずです。日の当たらない時には、その時にしか出来ない事をするための時間があるということです。つまり蓄えの時。自分自身に充電をする時期なのです。 資格を取るのも良し、今まで出来なかった自分自身を磨く、向上するための勉強をしたらいかがですか?

こんなチャンスはめったにないかもしれません。いつでもあなたが輝いてさえいれば、また必ずチャンスは巡ってきます。 ビジネス社会で生き残るのは決して生易しいものではありません。女性だけが大変なわけではなく、男性も同じように厳しい現実に常に直面しています。その時に男であると言う理由で泣きごとは言わないでしょう。男性化する必要はないのですが、こんな時、男性ならどうするだろうか、と視点を変えて考えてみることも勉強になります。なにしろ男性は一応は社会の先輩なのですから。
さあ、頑張って、そのうち課長を追い越そうね。

上司と食事に行ったら、海までドライブにつきあわされた

CMの制作会社で働いている私、23才です。この業界は遊び人が多くて、まわりを 見ても不倫している人ばかり。だからあまり1対1ではおつきあいしたくないんですが、誘われることが度々あります。その中に私の家の近くに住んでいる42才(既婚) の上司がいて、車で出勤しているので何度か”送ってあげる”と言われ、断り続けていたのですが、気まずくなるのもいやなので一度食事をしたんです。
そしたらドライブしようと海まで連れて行かれ、すごく不愉快な気分になって、泣きたくなりました。これもセクハラですよね? 何か上手な断り方はないものでしょうか。

大切なのは"あなたがどうか"

どうも女性は断り続けるのが苦手のようで、どこかで妥協をしてしまい、後悔するというケースが多い。男性の論理「女のいやはYESだ」」なんて言葉があるように、とかく男性はどういう状況であれ、相手が誘いにのれば、その気があると思ってしまうものなのです。とくにあなたの言っている遊び人の多い業界であればなおさら。相手はあなたの上司のようですが、あなたの取るべき態度はひとつ。毅然とした対応をすること。女性がセクハラだと思い込むことにより、かえって言うべきことも言えない状況を作り出していることがあります。どうしようなどと迷わないこと。「今後絶対に誘いには応じない。」とだけまず決めておく。そして、相手の意向に応えられないわけですから、気まずくなるのは当り前と、その覚悟を持つこと。
良い断り方と言っても相手の性格や年齢によって受け方はまちまち。ただひとつだけ言えることは、相手のプライドを傷つけないこと。男ってプライド高いからね。 相手が既婚者の場合に一番効くのが「自分は既婚者とは絶対に付き合わないというルールを持っている」という台詞。あなたが嫌いなのではなく、自分の信念として、曲げられないと。 信念には、誰も逆らえないものですよ。